ピンクとグレーを読んでみた。(原作ネタバレあり)

映画を見る前に読むべきか、読まざるべきかとても迷いました。

読んだら読んだで違いを楽しめるという利点はあるものの、読んでしまうとあらゆる場面がどう映像化されるのか気になって気になって仕方がなくなるんじゃないかという不安が…という思考をかれこれ10ヶ月ほど延々ループw

単行本も文庫本も、写真付きの帯とかこれから付くかもしれないからそれまで待とう!というのもありました(^^;

今回読もうと決意できたのは、映像を見たあとに原作を読むという順番では、原作を読んだときに場面が映画の映像として浮かんでしまうという意見を読んだからでした。たしかに。それに原作あっての映画なので、もういっそ読んでしまおう、ということでやっと読むことを決意しました。

前置き長いww

ネタバレというか結構簡単な感想を。まだ一巡しかしてないので、細やかなところがきっと読み取れてないんですけど。
感想もやっぱりネタバレのうちかと思うので嫌な方はここらへんで画面閉じていただいて…お願いします。





<感想>
読み切って第一声、『なんだこれは…(唖然』。

読んでる最中にこんなにも多くの感情を掘り起こされたのかっていう感じ。それは、一度読んだだけではよく理解できないことだったり、何度読んでも理解できないであろうことも含めて。

あれはそれで、それはあれで、あれはこれで、みたいな。
だんだんそれが自分の中で繋がっていく感覚はとてもぞわぞわして、なんともいえない気持ちになりました。

もっと闇深い話かと思ってたけど、眩しすぎるほど純粋なお話だった。

ごっちもりばちゃんも、お互い いきすぎたぐらい大事な存在だった。大好きすぎた。表面上は冷ややかに見えてた態度も、本当は優しくて穏やかで、ただお互いの幸せを願ってたように思う。

「ピンクとグレー」において、ごっちのお姉さんから→ごっち への影響があまりにも大きすぎた。あのことがなければごっちの人生もきっと変わってたんだろうし、逆にりばちゃんの人生も違ってたはず。

当人からしたらハッピーエンドだったんだろう なんて…普通の感覚ではハッピーなんて思える最後ではない。でもそこに込められた思いが他人には想像もつかないことで、読んでいくとそういうこと、なのか…でもやっぱりわからない。そういう感覚。

”彼の笑顔が増えるほど、僕の笑顔は減った”というニュアンスの文章は切なくてたまらなかった。

誰しも一度は身近な人に劣等感てものを抱いたことがあるんじゃないかな。それゆえ余計にその人の力で上に行こうとするなんてできなかった。りばちゃんの気持ちは当然のようにわかりました。ごっちはそういう事じゃなく、りばちゃんと一緒に同じ時に同じ場所で同じものを見たかった、ただそれだけの純粋な思いだったんだろうなぁ。

タイトルにもなっている”ピンク”や”グレー”。この物語にはその他にも色んな色が出てくる。テーマが壮大すぎる。サリーが色について語る場面もとても印象的でした。

そう考えると、「ピンクとグレー」における、女性の存在はとても大きなポイントだなと思いました。

もちろんどの登場人物も大事なんですけど、ごっちとりばちゃんは、いえば普通の男の子二人だったような気がする。片方は明るくてやんちゃな男の子、もう片方は天真爛漫でちょっと不器用な男の子。そんな印象。ここにごっちのお姉さんとサリーが加わることで思いもよらない展開になっていたような気がします。

中盤二人がどんどんすれ違ってしまう所では心が痛んだけど、10章ではとてもホッとできた。かと思えば11章のあの急展開。「え?え?」となりました。ここからの一連のシーンはとても衝撃的。
ごっちは、りばちゃんの中でしか生きれなくなってしまった。ただし、白木蓮吾は白木蓮吾のままで。

どんな心理でこんなことに至ったんだろう。最後の方にごっちを『僕』として綴られる文章が挟まっているので、そこから垣間見えるところもあるんだけども・・最後の最後はりばちゃんの妄想なのかどうかさえわからない。それも読むたびに色んな捉え方に変わるのかななんて、一巡しか読んでいない今の私の感想。


こうしてみると、全くまとまっていない感想だ・・笑

総合的にみると、やっぱり人間の闇は深い、とはなるんだけど、読み終えたときの感想としては、純粋すぎるこの二人 という気分だった。と思う、たしか(笑)

あとはあらゆる場面の登場人物を、どうしても裕翔や菅田くんに置き換えて脳内で演技させてみている自分がいたので、映像を見前に原作を読んだことが正解だったのかは最早わかりません(笑)

公開が近づくとともに、雑誌やなんかのインタビューでも内容がわかるような、いわゆるネタバレ的な内容をちらほら聞くようになり、私はそれにだんだん耐えられなくなってたことも、今回原作を読むきっかけのひとつになってるように思う^^; 早く読んでしまって、周りが言ってることを理解したい、という気持ちが高まりました。釜山国際映画祭や、東京国際映画祭に伴って試写会として上映された本編を既に見た方が増えてきたので・・。

ひとついえることは、諸々出てくる昔の音楽作品や映像作品を知っていたらより楽しめるしピンとくるものがあるんだろうなぁと思ったので、そういう知識に乏しい自分にちょっと悔しさを感じた。二回目に読む時にはもう少し作品にも注目してみよう。

一通り原作を読んだところで気になるのはやっぱり映画。予告動画で見るところによると、あれがあれ、それがこれかぁと思うところはあるものの、配役の部分はやっぱり、あっちがそっちなのか、それで後半はああなって・・と色々想像してみるものの。原作とオリジナル半々ぐらいと聞いてるので、やっぱり映画は映画で楽しみに待っていようと思います。

裕翔の初出演にして初主演の映画。とても楽しみ。
正直いきなり主演を張るという事に、ファンでありあくまで他人である私も凄く驚いたけど、貴重な作品になったのだろうなと思います。見る前にとやかく言えないなと思った。

白木蓮吾と中島裕翔は全然違う。違うけど重ねてしまうのは、この3年半くらいでも、かなり色んなことをやってのける裕翔を見てきたからだと思う。それは裕翔に限ったことではないんだけど。それに、文章から想像する容姿や、どこかで急に冷静な部分を持っているようなところ(うまくいえない)は少しだけ似ているような気がして重ねてしまう部分がいくつかあった。


早くこの目で映画「ピンクとグレー」が見たい。楽しみにしています。